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ログハウスにおける主なデメリット【10選】とは?
カテゴリ:ログハウスについて  / 投稿日付:2023/02/19 16:10

ログハウスの画像
LOG HOUSE

ログハウスにおける主なデメリット【10選】とは?

LOG HOUSE vol.2

Vol.1に続きログハウスにおけるデメリットのお話です。今回は10選という事で、より分かり易くまとめてみました。しかし文章を考えているとどうしても「より分かり易く」が「より詳しく」になり「より難しく」になってしまいます。これでもまとめたつもりですが・・・。
参考になれば幸いです。

 


①セトリング対策(調整が必要)


ログハウスは無垢材を横に積み上げて壁を造るためログ材が乾燥する事により壁の高さが落ちて来る。新築時からだと約5年で落ち着くが約5%ほどの収縮が見られる。その収縮を見越して窓やドア周りには予め隙間を設け稼働するように造られているが、その隙間が詰まったり開きすぎたりして窓が開きにくくなっていたりする。ひどい場合は全く開けることが出来ないログハウスも存在します。ログ材の乾燥時には同時に反りやねじれも発生する為、ログ壁が暴れる。それを防ぐために予め通しボルトが通されており定期的にそのボルトを止めているナットを締め上げる必要がある。

また、妻壁部の屋根を伸ばして張り出させている場合その屋根を支える為のトラス下にあるポスト(柱)は支え棒のような位置になる為、その箇所にはジャッキを予め納めてある。こちらも定期的に調整が必要で先程のナットを締め上げるのとは反対にジャッキを緩めて調整する事になる。

セトリングの調整にはある程度の知識が必要であるが新築時から5年以上経過している中古ログハウスの場合はほとんど調整する必要が無い。

中古ログハウスの中にはこのセトリング調整が上手く出来ていない為に2階の床に不陸が生まれているものやひどい場合はログ壁に隙間がたくさん出来、中から外の景色が見られるほどになっているものもある。これらの対策としては経年変化によりねじれや反り収縮が収まり固まっているものと見られる場合は修正が出来ない。そのため床の不陸を直すためには床を新たに貼り直す必要があります。またログ壁の隙間にはパーマチングを詰めたりコーキング剤を充填したりする必要があります。

 
セトリングの画像
写真・ログハウスのセトリング部分



②外壁塗装が必要


外壁塗装シーンの画像

ログハウスは1本の木で外壁と内壁を構成します。外壁は雨風や紫外線などを直接浴びる為、色褪せや焼け、ひび割れ、腐食、カビ、こけ、虫食いなどを起こしやすい。そのため5年に一回(理想)ほどのペースで外壁の塗装が必要になります。塗装に用いる塗料は種類もたくさんあり迷いますが、良く使われているのがキシラデコールという塗料。この塗料は油性で塗膜を造らず木材に浸透するため、内部から防腐、防虫、防カビ効果を発揮してくれます。また木材の表情が残る為、味わい深い仕上がりとなります。反対に水性塗料の場合、塗膜を張るので水を侵入させないというメリットがあります。また塗料の色が映えるので赤や白、青などの発色が綺麗でこの近年では良く使われるようになってきています。あと塗装の持ちが長続きするので10年くらいに一回のペースでも大丈夫です。

外壁塗装をするには足場が必要になり標準サイズのログハウスで約25万円〜かかります。その為5年ごとに業者に依頼しているとかなりの経費負担になるのでDIYで楽しむ方も多くなってきています。しかし高所作業のためくれぐれもヘルメットや命綱はつけて作業することをお勧めします。

 
リフォームされたログハウスの画像外壁塗装アフター



外壁塗装ビフォー

     リフォーム前の画像



③木が割れる反る縮む


ログ材は無垢材のためどうしても割れや反りが発生しやすくなります。躯体の強度的には問題は無いのですが、見た目を気にする人も多いようです。またその割れた隙間に虫が巣を作るなんて事も・・・。出来るだけそれらを抑える工夫は色々されていますが、代表的なのは人工乾燥されたログ材やラミネートログ材です。経年変化を味と捉えて楽しむ事が必要ですね。でもそれが気にいらない方には新建材で建てられた家をお勧めします・・・

 
ログハウスリフォーム時のコーキング画像
写真・外壁の隙間には一番手前にある変性シリコンを使うと後で塗装が出来る



④雨染み


雨染みです。雨漏れではありません。

雨染みは特にノッチ部で起こりやすく雨風が横殴りの際、僅かな隙間を縫うように入ってきます。ポタポタ滴るくらい入って来る訳ではありませんが、木材に染み込み、アクを出します。そのため乾燥するときにアク染みが付きます。防ぐには外壁塗装の際にはノッチ部にコーキングをする事でおおよそ防ぐことが出来ます。コーキング剤は塗装の乗る変性シリコーンを使います。違うタイプを使ってしまうと塗装がはじいてしまい外壁の見た目が汚くなってしまします。室内に出来てしまったアク染みはアク抜き剤や漂白剤で取ることができます。

 
雨染みの画像
写真・ログハウスには室内壁に雨染みが出来る事が多い



⑤壁に埃が溜まりやすい


ログハウスには色々な表情の違うログ材の種類があります。丸太、マシンカットの丸、D型、などは凹凸が大きく上部に埃が溜まりやすくなります。

マシンカットの角ログの場合だと壁面が平らに近い為、ほとんど埃は溜まりません。

大胆で力強く感じる丸太か?メンテの楽な角ログか?それぞれの選択はお好みです。

 
ログ壁の画像
写真・ハンドカットログハウスは上部に埃が溜まりやすい



⑥収納スペースが取りにくい


ログハウスの設計では収納スペースをあまり設けていないタイプが多いように思います。また2階(ロフト)スペースの端は屋根が迫って来る為、端まで使いにくく収納があっても収納能力が低く使いにくくなっています。中にはドーマーといって一部の屋根を持ち上げる形で端まで使えるようにしているログハウスもあります。またハンドカットログハウスのような大形丸太の場合だと家具を壁にピッタリと付けて納める事が出来ないため、デッドスペースが出来、埃が溜まりやすくなります。

 
ロフト部の画像
写真・ログハウスの2階はロフトになっている事が多く端部まで使えない



⑦気密性が悪い


ログハウスにはどうしても隙間が多く出来てしまいます。それは躯体がそのまま外壁や内壁になっているからです。上からサイディングを貼ったり防水シート、気密シート、コンパネ、石膏ボードなど新建材は一切使っていない為です。気密が悪いというのは大げさに言うと窓が開いている状態・・・。でも何がいけないのでしょうか?それは、外気の影響を受けやすいので冷暖房に影響します。他には・・・?埃が少し入るかも・・・くらいです。

夏には窓を開けて網戸にし自然換気をおこなったり、冬には薪ストーブで部屋を暖めたり(薪ストーブは高気密だと煙突に煙が昇りにくくキッチンの換気扇を付けるだけで逆流してしまう事も)街中では難しいかも知れませんが、自然豊かな場所だと対策が出来そうです。

 
ログハウスの室内写真の画像
写真・ログハウスと言えば薪ストーブ!やはりそこは理にかなってたんですね!



⑧虫が寄ってきやすい


???
ログハウスで良く聞く言葉ではありますが、本当にそうでしょうか?本当のところは建っている場所だと思います。自然豊かな別荘地や川沿いなど虫が多そうな場所です。確かにメンテナンスが不足して隙間が多くなってしまったログハウスではその隙間を通って虫が入ってくるって事もあるかも知れませんが、しっかりとメンテンナンスが出来ていれば問題はないと思います。お庭の美装も大事です!枯れ葉がそのままだと虫たちが越冬の為に寄って来易くなります。集めて燃やして又は埋めて綺麗に美装しましょう。


動物の画像
写真・ログハウスが似合うのは自然の林の中や川沿いなど、そこには小鳥や小動物、昆虫などいろいろな自然界の生き物たちが共生しています。



⑨リフォームがしにくい


これは確かにあります。築5年以上のログハウスだと比較的セトリングが落ち着いているので間仕切りなどを追加するなど大きくセトリング計算しなくて済むのですが、難しくなるのが増築!構造が違うタイプの物をくっ付けると必ず歪が出てきます。また見た目も不細工になります。かといってログで増築ってのもセトリング差があり、難しくなります。ログハウスを無理やりに増築した事で床が凸凹になんてことも・・・

リフォームの相談は必ずログハウス詳しい大工(ログビルダー)にやってもらいましょう!

 

リフォームの画像
写真・ログハウスオーナーになると自分でDIYしている人がほとんど!「したくなる家」なんですね!



⑩固定資産税が高くなりがち


ログハウスの本体建物にかかる固定資産税は、デメリットにあがる1つです。固定資産税には、構造や資材などの細かい評価基準があり、一戸ずつ固定資産税評価額が定められます。

ログハウスの固定資産税は、木造の丸太組工法建物の評価基準法を用いて役所の税務課が行い、全般的に高く算出される傾向があります。例えば、一般的な木造住宅の10%程度高く設定される事もあります。

しかし中古物件となると経年による再評価によりかなり安くなっていることも!また建てられている地域が自然が多い場所となると土地の評価基準が低くなり土地面積からは考えられないくらい低額になる事もあります。但し別荘で利用する場合は贅沢品という扱いになり、住む為の住宅と比べて固定資産税評価額に基づいて計算される取得税が高くなります。正確には軽減措置が受けれないのです。




 まとめ


ログハウスにおける主なデメリット【10選】をお届けしましたが如何だったでしょうか。確かに普通の木造住宅とは違う為、それをデメリットと感じてしまうかも知れません。しかし人とは違うものが良い!とか一風変わった・・・など個性を大事にする人なら気にならない事かもしれませんね。


ログハウス画像
写真・滋賀県高島市マキノ町でリノベーションしたログハウスにて テーマ「コーヒーを煎れたくなる家」








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