カテゴリ:ログハウスについて / 投稿日付:2023/02/16 12:18
LOG HOUSE
ログハウスに住むのは大変なのか?別荘や田舎暮らし生活におけるメリットやデメリットとは
LOG HOUSE vol.1
ログハウスは大変!
そんな言葉をよく耳にしますが本当なのか?私達カントリーライフでは日々このような物件と接している観点から本音をお伝えしたいと思います。
ログハウスは別荘や田舎暮らしとして多く選ばれています。先入観というイメージもあるかと思いますが、やはり毎日の仕事に追われ都会での喧騒に疲れた方や自然をもっと身近に感じたい方などには最適です。都会ではコンクリートの建物や道路や歩道だらけで土さえ見る事がなかなか出来ません。自然を求める方に最適なログハウスですが通常の建物とは勝手が違い戸惑う事も少なくありません。メリットやデメリットをしっかりと理解したうえで幸せな時間や空間を手に入れて下さい。
By 堀充宏
ログハウスの構造は特殊!一般木造住宅との違い
写真・ハンドカットログハウスを建てる為、丸太を刻んでいる所 場所・滋賀県高島市今津町にある「ルミエールの丘」別荘地にて職人・ログビルダーのSUGOさん、何でも屋のSAITOさん
ログハウスはスウェーデンやフィンランドなどの北欧諸国に多く寒い地域の建物というイメージがあります。多くの国内ログハウスメーカーは北欧産などの木材を輸入し建築しています。ではログハウスとはどのような建物で、どのようなデメリットがあるのでしょうか
ログハウスの由来や構造
ログハウスという言葉は和製英語になります。北欧諸国などの国ではログホームやログキャビンと言った呼び方をしています。
日本で多く建築されている木造建築は木造軸組工法(在来工法)になり柱と梁で建てられます。他にもツーバイフォー工法(2×4工法)という木造枠組み工法の家があります。
ログハウスは丸太を横に積重ねた壁によって構成され、その壁の事をログ壁(ログウォール)と呼びます。このログ壁が2階の壁も構成し屋根高まで積み上げられているのがフルログハウスと呼ばれています。多くは1階のみログ壁で仕上げ2階の壁は柱と梁で仕上げたりしますが、妻壁部は丸太や角材のトラス構造となっています。
海外の建物というイメージが強いのですが、実は日本でも奈良県にある「正倉院」は校倉造りというログハウスと同じ工法で建てられており日本最古のログハウスと言われています。
ログハウスと在来工法の違い
日本で建てられている木造住宅は主に2種類あります。柱と梁で建てる木造軸組工法(在来工法)と、2インチ×4インチサイズの木材で枠を造り合板を貼付けて造った同サイズのパネルを壁床天井に貼り合わせて造る木造枠組工法(2×4ツーバイフォー)です。自由度が高く後からリフォームしやすいのが特徴です。
比べてログハウスは1本の木材を横に積み上げ、交差する壁面ではと互いの木材を刻み合い口にカットし噛みこみ合い(ノッチという)する為耐震性に優れます。また、1本の木材で外壁と内壁を形成する為、断熱材が不要な建物になります。写真・ログビルダーが丸太を1本1本チェーンソーを使って刻んでゆく
固定資産税が高くなるケースもある
ログハウスの本体建物にかかる固定資産税は、デメリットにあがる1つです。固定資産税には、構造や資材などの細かい評価基準があり、一戸ずつ固定資産税評価額が定められます。
ログハウスの固定資産税は、木造の丸太組工法建物の評価基準法を用いて役所の税務課が行い、全般的に高く算出される傾向があります。例えば、一般的な木造住宅の10%程度高く設定される事もあります。
しかし中古物件となると経年による再評価によりかなり安くなっていることも!また建てられている地域が自然が多い場所となると土地の評価基準が低くなり土地面積からは考えられないくらい低額になる事もあります。但し別荘で利用する場合は贅沢品という扱いになり、住む為の住宅と比べて固定資産税評価額に基づいて計算される取得税が高くなります。正確には軽減措置が受けれないのです。
ログハウスのデメリットはメリットにもなる
写真・京都府南丹市園部町にある別荘地内に建つフォレスト倶楽部F棟(マシンカット丸ログ)国産の杉材
ログハウスのデメリットは、手刻みによる職人の工程が増える事で嵩む人件費や、特殊な構造の為、手掛けたことの無い大工や経験の少ないビルダーでは後々で問題も出てくる為、在来工法の木造家屋などと比べ出来る職人が少なく経験が豊富な職人は人件費が高くなります。しかし考え方によっては「凝った家」「趣味性の高い家」「人とは違う家」など受け取り方の違いで付加価値があがりメリットとしても評価できるようになります。
その他、デメリットがメリットに変わる魅力的な点を紹介します。
メンテナンスは愛着心に
木造家屋はは経年で「縮んでくる」とか「痩せてくる」といった現象があります。それは天然の無垢材を使用している為で、ログハウスの場合、木の使い方が横に積み上げるのでその現象が顕著に表れてきます。(木は縦には痩せないが横には痩せる)その為、あらかじめドアや窓といった縦に木を使わないといけない所にはセトリング対策といって周りが縮む事をあらかじめ想定して隙間を開けたり稼働出来るよう施工をします。また縦に木を使わないといけない所にはそのセトリング調整をスクリュージャッキを用いて行う為、定期的にそのネジを緩めないといけません。また壁面には横積みになった丸太を縦にボルトを通しズレ防止にしています。このボルトも定期的に増し締めを行わないといけません。
また、外壁は木が雨ざらし状態となる為、紫外線や雨水を防止する為、約5年に1度くらいのペースで定期的に塗装する必要があります。他にも煙突の掃除や凍結防止、害虫対策などメンテナンスが多岐に渡ります。
しかし家と共に生きているような感覚や手間暇かけた分の愛情が湧いてくるというのも事実です。
写真・セトリング部の写真
メンテナンスは運動の一部
よく聞かれます!「デッキ造ったらいくらかかりますか」「外壁塗装は・・・」「小屋造りたいのですが・・・」もちろん参考価格は必要です。しかし業者に頼んでばかりでは費用が嵩みます。自分たちでやるからこそ楽しいし、思い出にもなるし、愛着も沸くんです。特に自然豊かな場所に建てたログハウス何かだと空気も美味しいしメンテナンスに汗を流す事で日頃のストレスから解放されます!やり方が解らない→今ではYouTub先生がすぐに教えてくれます。失敗したら→いいじゃないですか少しくらいおかしな方が味があって!次もっと上手くなればいいんです。おススメは薪割です!めっちゃしんどいですが運動になります。夜よく寝れますよ!笑
写真・三重県伊勢市にてログハウス教室の様子(YSK)
へっぴり腰ですね・・・笑
自然との共存を楽しめる
ログハウスの醍醐味は何よりも自然を身近に感じられる事です。普通、木造の家は「木を使っている」と表現しますが、ログハウスは「全て木」を使っています!全て木です!森という字は木を三つ書きます。林も二つでそうです。ログハウスは森林の中にいるようなものなんです!音の反響も柔らかくなります。そんな非日常の空間で時間を過ごせば日頃のストレスは吹き飛びます!
しかし大自然だからこそ虫がいます。小鳥がいます。動物がいます。また大雨の時は外壁から染み込んだ雨水が内壁に染み出てくる事もあります。大自然の力には逆らえない事を痛感します。
しかし自然に寄り添い生きる事は都会とは違いより大きい刺激となります。その事により近年の環境問題への関心も高まります。
写真・森の中に建つログハウス
デメリットだけじゃない!ログハウスが快適に暮らせる理由は
ログハウスは、デメリットをメリットに変えてしまう魅力的な家屋です。一般的な木造住宅に比べて独特の構造や面倒なメンテナンスがありますが、ログハウスには人を惹きつける魅力があります。なぜ、ログハウスには魅力があるのでしょうか。
ログハウスで快適に暮らせる理由を、メリットとともに紹介します。
耐震性に優れている
ログハウスが地震に強い!という事はよく知られています。ログハウスは丸太を横にして1本1本積み上げ、その1本1本をダボでつなぎ合わせた一体型構造になっています。地震に対してログ材が1本1本摩擦力を発揮し、建物全体でしなやかに揺れを吸収してくれるため、耐震性に優れた構造です。また通常の木造家屋と比べて約3~5倍の木材を使用しており重量があり重心が低くなっている為、地震の揺れには非常に強いのです。
災害大国である日本では、自然災害は避けられません。その分、家自体が耐震性に優れていれば安心して暮らせますよね。
耐火性に優れている
一般的な木造家屋が火災にあった現場を見られた事があるでしょうか。ほとんどが焼けてしまっているのに柱や梁だけが焼け残っています。丸太は燃えるのに時間がかかることに加えて、表面に炭素の層ができ酸素の供給を遮断する事で内部まで燃える前に消えてしまう事が多いのです。したがって燃え広がるのに時間がかかります。その為、逃げる時間や消火活動までの時間稼ぎが出来ます。また一般的な木造建築に比べ新建材をあまり使わないので化学物質などによる有毒ガスも出にくい建物なんです。
断熱効果による省エネ
ログハウスで使われる木は無垢材です。人工的に作られた素材ではないので、断熱効果が高いです。木の熱伝導率は、鉄の1/12と言われています。さらにログハウスの丸太に関しては、厚みが100mm以上あるものが多く、外からの熱が伝わりづらく内側の熱は逃げづらい構造といえます。
天然の断熱材になり、木が調節してくれるため、省エネにもなります。冬の夜は一度部屋を暖めておけば、朝まで快適に過ごせるなんて事も。省エネに繋がれば、節約になるだけでなく、環境にも優しく配慮して暮らすことができます。
天然素材を活かした湿度調節で健康的な生活!
冷房や暖房の効いた部屋でストレスなく過ごす、というのも気持ち良いですが、体の健康を考えるとあまり良くありません。体温調節がしづらくなり自律神経が乱れ免疫力が低下します。そして免疫力が下がれば生活習慣病にかかりやすい体質になってしまうのです。しかしログハウスの素材はほとんどが無垢材なので、先述のように自然と部屋の温度調節をしてくれます。
またエアコンは部屋を異常に乾燥させますがログハウスで使う無垢材は一般木造住宅の3~5倍ありその天然素材である木材が湿気を吸ったり吐いたりして調湿してくれるので夏は蒸し暑くなく、冬は乾燥しにくく快適に暮らせます。
また、ログハウスと言えば薪ストーブ!部屋を暖めるだけでなく調理を楽しんだり炎を見る事で自律神経が整います。そして床は無垢材フローリングで仕上げれば素足で過ごせ体の刺激にもなりますし、ウッドデッキを作れば、いつでも外でBBQができるなど、非日常の空間によってストレス発散にも繋がるでしょう。天然素材を活かしたログハウスは、心身共に健康的な毎日を運んできてくれます。
まとめ
ログハウスはデメリットが多く見受けられますが、それでもログハウスに住みたいという人も多いです。
住んでいくうちにメンテナンスの面倒は愛着に変わったり、通常では体験できない体力仕事が運動になったり。自然の摂理に従いながら共存することが、環境問題を考える良い刺激としてメリットにもなり得ます。
また、ログハウスは天然素材を使った無垢の木材のため、耐震性や耐火性に優れていたり、断熱効果による省エネ対策にもなります。木のぬくもりで心身ともに癒され、健康的で快適に過ごせるだけでなく、環境に配慮したり災害対策にもなるメリットなどがデメリット以上の魅力がありますよ。
取材協力・オーネストウッドワークス・YSK・フォレスト倶楽部